あの頃と、命の重さは、変わったのだろうか。

-競馬GI予想2004・第129回天皇賞(5/2 京都 芝 3,200m)-

予想 結果

…ここは、病院のベッドの上?俺は地獄へ落とされたのではないか?

???:「いや、地獄だよ。大学病院という名の、地獄だ。」

あなたは?

???:「私は、財後(ざいご)五郎。Kogaよ。お前を侵す病原体を切除するために今から手術を行う。」

ど…どういうことだ?

財後:「お前には今、病原体が埋め込まれている。この副作用によって冥界に連れ込まれたり、まあいろいろあったのだ。」

…成功するのか?その手術は。

財後:「大丈夫だ。私の助手兼愛人・春香も応援してくれている。」

うわっ!やはり反省してなかったか…!

春香:「だって、まだ決着は付いていないですもの。私、弁護士狙うのはやめにして今度は医者を狙うことにしたのよ。そして、仮にも春香を名乗る私がこの『春の天皇賞』の回に出てこないわけがないでしょう。」

…そうか…。さて、財後と言ったな…自分の財産が狙われていることを知っていながら!

財後:「そんな些細なこと。私は彼女を愛している。愛は全てに勝る。さて、時間が無い。病原体切除の手術を始めるぞ。」

ちょ…ちょっと待った!麻酔は?

財後:「麻酔だと?そんなものを投与したら病原体が暴走してしまう。何してるんだ、春香。メスはまだか?」

春香:「ちょっと待って、Kogaの病原体は食道に来てるわ。この薬を投与すべきよ。」

財後:「…ステロイド?これでいいのか?まあいいか。」

お前ら全然分かってないだろ!

財後:「病院長の私に意見するとは生意気な患者だ。」

それに…俺は…競馬予想…を…

春香:「その体で競馬予想も無いでしょう。予想なんて私達に任せてあんたは寝てなさいよ。」

…競馬予想師は…競馬予想の中でしか…死ねないのだ。やらせてくれ。いや、俺はやる!

馬番馬名馬齢騎手予想
1 (父)ザッツザプレンティ牡4安藤勝己
2 (市)ナリタセンチュリー牡5吉田稔 
3 ダービーレグノ牡6幸英明 
4 (父)(市)ウインブレイズ牡7木幡初広 
5 サンライズジェガー牡6福永祐一 
6 イングランディーレ牡5横山典弘 
7 (父)ウインジェネラーレ牡4蛯名正義 
8 (父)シルクフェイマス牡5四位洋文×
9 (父)チャクラ牡4後藤浩輝 
10 (父)ファストタテヤマ牡5安田康彦
11 ネオユニヴァース牡4M.デムーロ
12 (市)マーブルチーフ牡4池添謙一 
13 (父)(市)ナムラサンクス牡5渡辺薫彦 
14 リンカーン牡4武豊
15 (父)カンファーベスト牡5藤田伸二 
16 (市)ゼンノロブロイ牡4D.オリヴァー 
17 ヴィータローザ牡4岩田康誠 
18 (抽)アマノブレイブリー牡4小牧太 

格がモノを言うレース。ここはさすがに人気馬に逆らえません。自分の好みも織り交ぜて…◎:ザッツザプレンティ。この淀の長丁場に最もふさわしいのは菊花賞馬。豊富なスタミナは証明済。前半は馬を前において落ち着いて進めそうですし、何しろ長距離戦、ロングスパートするために外に出すチャンスも十分にあると思います。最内に押し込められることも無いでしょう。○:リンカーン。月並みですが、さすがにこのレベルの馬に乗った武豊JKを無視するわけには参りません。この長距離ならば人馬ともに、どんな展開でも自在に動けます。もちろん、有力候補です。▲:ネオユニヴァース。距離適性には疑問符がつきますが、格ならばこの馬も2冠馬。叩き良化型と思われるので、前走からの上積みにも期待したいです。M.デムーロJKにとっては菊の屈辱を晴らすための舞台。末足を生かしてほしいです。△:ファストタテヤマ。これは好きな馬だから、というだけでは無いです。前走の阪神大賞典、2強(リンカーンザッツザプレンティ)相手に差の無い3着。2強の実力が疑われている声も多いですが、僕は違うと思います。この馬が力をつけてきているのです!え、妄想ですか?×:シルクフェイマス。最後の1頭、サンライズジェガーとどちらを選ぶか迷いましたが、悩んだ末、こちらを選びます。重賞2勝を含む5連勝は並の馬では無い証拠。距離適正に関しては分からない部分もありますが、外せない馬です。一方でもう1頭の候補だったサンライズジェガー。昨年2着していることより、「格」と「距離適正」の条件は満たしているのですが…昨年は後藤JKだったのに対し、今年は福永JK。今年、GI4戦に騎乗し、うち3回馬券に絡んでいて勢いはあるのですが…長距離では今ひとつ信用できないんです。見送ります。

馬連予想は次の6点でいきます。

使用ポイント:60000pts・残りポイント:-121000pts
1-85000pts
1-1010000pts
1-1110000pts
1-1420000pts
10-145000pts
11-1410000pts

…このレースは当たるんだ…当たるんだぞ?そうすればこんなとこよりもっといい病院で俺は…

財後:「残念だな。その予想は当たらない。私の予想は 16 ゼンノロブロイ。これを1頭軸に1,3,7,11,14の5頭へ3連複流し(計10点)。そうだな、お前がこの大学病院センター長の私に勝てたなら転院を考えてやってもよい。しかし…私が勝ったらおとなしく麻酔無し手術を受けるがいい。」

春香:「私も助力します。18 アマノブレイブリーから1,8,14,16へワイド流し。そして、義弟・玄澄(げんちょう)の一押し、10 ファストタテヤマからも同じく1,8,14,16へワイド流し。計8点。まあ、私の予想はほんのお遊びですから。ホホホ。」

余裕さ!俺は…俺は…

財後:「腕が鳴るよ。こんな大規模の麻酔無し手術は今まで経験が無い。おもしろい…ワクワクしないか、里見君?」

春香:「里見君というのは医者なのですか?」

財後:「ああ、私の同期生だよ。私が外科なら彼は内科の助教授だ。」

春香:「(…なるほど。次のターゲットね。)」

ていうか、やっぱりこんな麻酔無し手術なんてやったこと無いんじゃねえかよ!ふざけるな!



第129回を迎えます、春の天皇賞。今年は昨年の菊花賞の上位組が勢ぞろい。勢いのある5歳馬も顔を揃え、4歳エリートVS5歳生え抜き組の世代決戦の感もあります。3,200mのサバイバルレース、制するのはどの馬なのでしょうか?5月2日、淀の長丁場に挑む18頭。本当の強者は―――


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格の崩壊、偽りのクラシックホース…

-競馬GI予想2004・第129回天皇賞(春)結果・超惨敗-


着順馬番馬名Kogaマーク予想
16イングランディーレ 
216ゼンノロブロイ 
38シルクフェイマス×

正解:馬連 6-16 366.8倍
1-85000pts→0pts
1-1010000pts→0pts
1-1110000pts→0pts
1-1420000pts→0pts
10-145000pts→0pts
11-1410000pts→0pts
残り:-121,000pts

財後五郎へ

この手紙をもって僕の競馬予想師としての最後の仕事とする。
まず、僕の病態を解明するために、河内調教師に私の予想の解剖をお願いしたい。
以下に、天皇賞結果についての愚見を述べる。
天皇賞の勝ち馬を考える際、第一選択はあくまで格であるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には今回の場合がそうであるように、天皇賞に出走した時点で実は馬がピークを過ぎていた進行症例がしばしば見受けられる。
その場合には、格下馬を含む全ての馬の検討が必要となるが、残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの天皇賞予想の飛躍は、格重視以外の予想の発展にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない予想師であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君には競馬予想の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、駄馬による格独占がこの世からなくなることを信じている。
ひいては、僕のハズレ馬券を病理解剖の後、君の研究材料の一石として役立てて欲しい。
ハズレ馬券は生ける師なり。
なお、自ら競馬予想の第一線にある者が馬の実力を見抜けず、2戦連続本命16着の快挙を成し遂げたことを心より恥じる。

Koga




春香:「Kogaはそのショックのあまり、上の遺書を遺して病院から逃走してしまいました。突っ込み所満載ですが、それはページを閲覧されている皆様にお任せします。しかし…笑いが止まりませんね。負け馬予想として成り立つじゃありませんか。財後さん、Kogaの推奨馬、何着だったか紹介してください。」

財後:「こんな結果になりました。

これほどの逆神をかつて私は見たことが無い。これは研究発表せねば。そしてその進化もものすごい。昨年は、印つけた5頭のうち、一番着順の悪かったのでもイングランディーレの9着…って、
昨年の天皇賞(春)、イングランディーレに印つけてるし!
昨年推しておきながら今年無印にしてしまっては台無しです。軸馬ゼンノロブロイ2着の私や、軸馬アマノブレイブリー6着(17番人気)の春香さんと違って、常識の通用しない人だ!」

春香:「あれ、遺書がもう一枚あります。」

用事先で結果だけチェックして…あれ?「2001年の菊花賞みたいに仕掛け遅れたな。これじゃ天皇賞の格が台無しだよ…」と意気消沈し、夜中にビデオをチェックしたところ…想像を絶する光景に全身の力が抜けていくのが分かりました。当日はショックで回顧する気にもなれなかったので、日を置いてこの文を書いています。

格がどうたら言いますが、勝ち馬イングランディーレに限っては、能力を発揮した、いい競馬だったと思います。そして、何よりも効いたのが横山典JKの好騎乗。そういや、以前読んだ本に「横山典JKは長距離の秘策を持っているので、いずれ長距離で台頭してくる」と書かれていたのをレース後に思い出しました。ここで必要な格言は格でもなんでもなく、「長距離は騎手で買え」ていうか、この天皇賞(春)でこんな不確定要素、信用できないです…。

人気馬の体たらくによって、レース自体は崩壊。でも、それだけが敗因ではないと思えます。ネオユニヴァースは距離が免罪符になるかもしれませんが、あとの2頭(よりによって本命、対抗)、他の世代の古馬と比べて相対的に弱かったのかもしれません。ゼンノロブロイが2着に来ていることに今回の(有力馬の)結果はフロックだったと、微かな望みを託してみましょうか。本当にショック…。



春香:「遺書が長すぎます。それに予想で『格がモノを言うレース。ここはさすがに人気馬に逆らえません。』と書いているだけに恥ずかしい言い訳。あれ?救急車が戻ってきました。」

財後:「うーん、どうやらKogaが乗っているようです。え?病原体が進行した?うーん、それは手遅れだ。公園にでも捨ててきなさい。」

春香:「ていうか、ここまで負け馬予想やってて来週のNHKマイルカップ予想する気力は無いと見ました。本命の後先勝負なら私達の圧勝(アマノブレイブリー6着、ザッツザプレンティ16着)ですし、そうだ、罰ゲームって麻酔無し手術って言ってたじゃないですか。やっぱりKogaを手術しましょう。」

財後:「承知。すぐにKogaを連れてきなさい。」


2年前の皐月賞の◎:ローマンエンパイア(14着)を上回る、過去最大の汚点、1週では足りず2週連続で極めてしまってリバースゴッドに磨きがかかってきました。来週もこの調子で本命16着…嫌だー!


− 手 術 室 −

財後:「いやあ、一度やってみたかったんだ、麻酔無し手術。じゃあ、メスを1本、2本、と♪」

春香:「前からやってみたいと思ってたんです、私も。それっ♪」

ふんぎゃ、はぎゃ、うぎゃ〜っ!




− NHKマイルカップ・予想に続く −

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