2006年、府中に新たなＧＩレースが創設されました。ヴィクトリアマイル―――古馬牝馬による、府中の杜・1,600mの決戦。マイルＧＩ2勝、目下最有力のラインクラフト、同期のライバル・秋華賞馬エアメサイア、2004年桜花賞馬ダンスインザムード、息の長い活躍を続ける2歳女王ヤマニンシュクル、ショウナンパントル。スイープトウショウの戦線離脱、シーザリオの現役引退はありましたが、それでも豪華メンバーとなりました。初代マイル女王に輝くのは一体どの馬なのでしょうか？

舞衣(まい)：「先週の予告どおり来ました。『新・プリースト・キュレート』の一人・舞衣です。『マイルの魔女』と呼んでください。」

凪砂(なぎさ)：「私達の後釜で『プリースト・キュレート』の名を名乗ってるのはあんたか。先輩の凪砂です。『黒の魔女』とでも呼んでください。」

舞衣：「『黒の魔女』なんて、貴方はもう『普通の人』ですよね？『プリースト・キュレート』の名は私達が受け継ぎました。ゆっくり休んでいてください。」

凪砂：「…全く、かわいくない後輩。これで決着つけるわよ！」

舞衣：「それは、某カードゲームの…。受けて立ちます！」

凪砂：「まずは『ボンバドールショット』に『ピチッと黒T 』に『ジャンピングエアバッシュ』でへんしーん！」

舞衣：「ならばこっちは『オリエンタルシニオン』『クラシックバイオレット』『フラワーくしゅブーツ』でへんしーん！」

ならば俺も変身だ！って…俺のカードは…『ボウリングピン』？これだけ？あの『ラウンド●ン』にあるアレじゃん！なんで俺だけこれしか無いの？どうすんの俺？つづーく？うわぁ、へんしーん！

凪砂：「…ありえない。」

舞衣：「…私達はともかく、Koga最下位だけは確定ですね。」

…って、ここは競馬予想コーナーだ！ボウリングピンの意地を見せてやる！

この「競馬GI予想」コーナー開始以来、初の「新設GI」となります。過去のデータが無いため、個々の馬が持っている過去の実績から予想するしかありません。1,600m、牝馬限定だとラインクラフトが最有力。同世代では3歳秋、エアメサイア以外の馬を子ども扱い。しかし、暮れの阪神牝馬Sではハナを切る形になり、アドマイヤグルーヴを始めとする古馬相手に敗退しました。ハナを切る形になると、スキが出来そうですが…とはいえ、◎：ラインクラフトがやはり最有力でしょう。3歳冬〜4歳にかけての成長も著しく、古馬相手でも今なら完封できそうです。

○：ヤマニンシュクル。対抗は4歳より経験豊富な5歳馬より。マイル向きのトウカイテイオー産駒であること、そして長い脚を使う馬なので府中の直線は向いているのではないかと推測します。1年以上の休養期間もありましたが、復帰後4戦を消化し、状態も良くなっています。この大舞台で有力4歳勢を打ち破れるでしょうか。▲：エアメサイア。ラインクラフト打倒の最有力候補ですが、大外を引いたので3番手に。東京の舞台は合います。周囲に差し馬が揃っているため間違いなく外を回されますが、マイルより長い距離も十分にこなせるので、余分に走る分は問題ないと思います。△：ダンスインザムード。一時期は府中で醜態を晒していましたが、府中の舞台で2年連続好走していることより、本質的には東京は向いていると思います。ムラ駆けする面も持ち合わせていて軸にはできませんが、今の状態なら楽しみです。×：マイネサマンサ。1枠からもう一頭。前走は重賞勝ち。府中牝馬Sの好走歴もあり、ラインクラフトと行った行ったになる可能性だって否定できません。エリザベス女王杯は距離が長すぎました。ここなら…

エリザベス女王杯もそうですが、今回は「GI勝ち」またはそれに順ずるほどの重賞ホルダーという、格が大事なレースになる気がします。だから堅めに。そして今回、◎、○を非サンデーから選び、サンデーサイレンス産駒を微妙に嫌ってみました。東京1,600mが舞台のNHKマイルC、安田記念をサンデー産駒が勝てていないのは偶然ではない気がするのですが…。馬連予想は次の6点でいきます。

凪砂：「『黒の魔女』の力、見せてあげる。私は2枠から同枠含め、枠連総流し(8点)！そして、15 デアリングハートの複勝(1点)、合計9点で勝負。負けるなんてありえない！」

舞衣：「私のアイディンティティは連単系。2 マイネサマンサと14 チアフルスマイルから馬単2着流しで行きます。1,3,4,5,6,7,8,9,10,11→2(10点)　1,2,4,6,7,9,10,11,16,18→14(10点)で。

あと私、美術の心得があるんです。12 ショウナンパントルの『パントル』とは画家の意。ここからも馬単2着流し 2,6,10,14,16→12(5点)を買います。合計25点で、笑いたいです。『マイルの魔女』の意地を見せてやります！」

凪砂：「一番駄目予想をした人には『おしゃれ罰ゲーム』が待ってるわ。ボウリングピンなんて比較にならない『秘蔵のカード』で、とっておきのコスチュームにへんしーんさせてあげる。」

舞衣：「それはそうと、この『ボウリングピン』、無性に倒したくなりますね。そーれ！」

うわあ、ボール投げるな！あだああああぁ！ゴロゴロゴロ…

凪砂(なぎさ)：「あーあ、転がって行っちゃった。」

快調に飛ばす先行勢、しかしその中にラインクラフトの姿はありませんでした。中団で馬群に包まれて、折り合いを欠いた時点で当馬の敗北は決定していました。

内が異常に伸びる、今の府中の直線。その内で粘って伸びてきたのは何とコスモマーベラス。そのさらに内を付いて、ダンスインザムード。逆に外から豪快に伸びてきたのがエアメサイア、ディアデラノビア。しかし、内外の馬場の差は大きく、そのアドバンテージも生かしたダンスインザムードが2年1ヶ月ぶりの先頭ゴール。2つ目のＧＩタイトル、そして「初代・春のマイル女王」に輝きました。ラインクラフトは結局馬場の一番悪いところを通って、見せ場も無く9着惨敗。疲れがあったのもありますが、今年、高松宮記念(1,200m)や阪神牝馬S(1,400m)で絶好のパフォーマンスを見せたところを見ると、距離適性が短いほうにシフトしてきているのかもしれません。今後、マイル以上の距離では疑問符が付くかもしれません。

…先週に続いて、1番人気を豪快に吹っ飛ばす、リバースゴッドの本領発揮と言える予想結果になりました。今まで3戦連続で1番人気から入ったことは無かったような気がしますが、これで完全に懲りました。来週は相性最悪のＧＩの一つ、オークス。4年間、◎、○が一度も連対していません。今年も記録は更新されるのでしょうか。

凪砂：「に、2週連続で1番人気を飛ばすなんて、こんなのリバースゴッドKogaじゃなきゃありえない！じゃあ、私がネットオークションで250万で落札した『秘蔵のカード』でKogaをへーんしん！」

う、うわぁあああ！

舞衣：「ねえ、凪砂さん？このカードを買うのに250万も使ったの？」

凪砂：「そうよ。このくらいのカード、他に何枚も持ってるよ。」

舞衣：「(そりゃ、3000万も借金作るわけだ…でも、こういうのもちょっと興味あるかも。)」

俺の敗北と勝手に決めやがって！で、この黒い全身タイツは何なんだ？

凪砂：「それは『呪いのタイツ』。これを着た者は―――微妙な雰囲気の中で一生ダンスを踊り続けることになるのよ。」

何だ…だ…ダッ！ダンゥスッ！インッ、ザ、ムードォー！フォー！ダンゥスッ！インッ、ザ、ムードォー！フォー！オメデトー！フォー！何をする俺ー！

舞衣：「あーあ…こんな状態で次週に続くんですね。で、凪砂さん、他にどんな『秘蔵のカード』持っているんですか？」

凪砂：「そりゃもう…×が××で×××××！」

舞衣：「えー？マジですか？それ、300万で…」