…ここはどこだ？確か、前回、俺はウサギ鍋にされて食われたはずだが。

玄澄(げんちょう)：「気が付いたかKogaよ。」

おお。戻ってきたか玄澄！さあ、保田圭卒業は寂しいなパーティの準備を…え？鉄砲？

ズババババババ！

玄澄：「甘えるなよKoga。未練など、とうに振り切ったわ。私は、素晴らしい力を手にいれたのだ。見よ、この力を！」

玄澄：「その力とは、」

玄澄：「全てを支配し、」

玄澄：「他人を自分に変えてしまう力。」

玄澄：「全ての者は」

玄澄：「みんな、私になる。」

な…何なんだ！玄澄が…一人二人三人…いや、ザッと見て百人はいる！

玄澄：「こんなものではない。何事をも、私の思い通りに動かす事ができる。私は、今やこの世界のエージェントなのだ。」

…何だと？

玄澄：「私は神なのだ。だから、お前を復活させることもたやすい。そもそも、今のお前は私の作り出したプログラムに過ぎない存在なのだ。」

…何？バカなことを言うな！

玄澄：「そうだ。今この世界に存在するお前は虚構の存在。真実を知りたければこの赤い薬を飲むがいい。」

…ゴク！うおおおおおお！こ、これは！お…俺？

玄澄：「現実世界でのお前は、ウサギにされた挙句、食べられ、消化された状態だ。しかし、この仮想・マ●リックスの世界では、お前にもそれなりの地位をやろう。春の総決算、宝塚記念はこのマトリッ●スの世界での対決だ！」

…仮想世界、マトリック●？

玄澄：「その通り。そして、今回はまたしても私の勝利確定だ。私の力を使えば、過去、未来の出来事を変えることもたやすい。例えば、昨年、2002年の菊花賞。このレースで勝ったヒシミラクル。直線でバテて6着くらいに敗れる…としたら…?」

そ…それは…まさか、菊花賞馬ファストタテヤマが誕生し、菊花賞4着だったアドマイヤドンは3着…。アドマイヤドンとファストタテヤマのワイド1点…か！

玄澄：「そう。私はこの●トリックス世界で菊花賞の歴史を操作し、大金持ちになった。」

玄澄：「だから、この世界での菊花賞馬はファストタテヤマということになる。」

玄澄：「こうして私はこのマトリッ●スの世界の億万長者になった。」

玄澄：「そして今度はその大金を、この次元の宝塚記念で増やす！」

玄澄：「もはや私はレースの出走馬も騎手も着順も何もかもを操作できる！見よ！この力を！これが全てを我が手中に収めた、俺の究極の予想だ！」

玄澄：「つまりだ。16頭のシンボリクリスエスが半年振りのレースで引っかかって自滅。そしてハイペースの中、最後方からファストタテヤマが突っ込んでくる、という寸法だ。」

玄澄：「いや、私がそうさせる。」

玄澄：「マ●リックスの支配者である私はどのようなことも可能。」

玄澄：「Kogaよ。貴様がどのように予想しようとも私は全てを操作できる。」

玄澄：「私が神なのだ！」

…んなわけあるかよ！うおおおおおおおおおお！現実の宝塚記念で勝負しろー！

玄澄：「無駄だ。ん？この力は？」

玄澄：「バカな！」

お前のくれた赤い薬が俺を目覚めさせた！俺は救世主だー！

玄澄：「な、何いっ！」