ハァハァ…見つけたぞ。よくも…よくも俺をこんなにしやがったな。

春香：「あら、バレちゃったのね。でも、もう少しで1200万円が私のものになるの。邪魔はさせない。」

その一言、神戸新聞杯の時とひどくキャラクターが変わってるな。外見は変わらないのに、今のお前からは悪人の「気」とでも言うのかな。ビシバシに伝わってくるぜ。

春香：「誉めていただいてありがとう。女優に必要なのは演技力なのよ。」

ていうか、どこの女優だよ。「千億の何とか」というドラマで明石家●んまと競演…？

春香：「そりゃ井川遥でしょ。私は大澄(おおちょう)春香。趣味は大物食い。あら、別に大食いじゃないわよ。失礼な。政治家とか弁護士とか…お金を持っていそうな人を次々と騙して金をせしめること。とにかくこの世の中は金さえあれば何とでもなるのよ！」

…さて、話が脱線したが、単刀直入に言おう。この間刺された恨みを晴らすため、今日はお前を呪いに来た。覚悟しな。

春香：「アンタごときに何ができるっていうの？話は変わるけど、神戸新聞杯での私の推奨馬・アマノブレイブリー。先週のドンカスターSに出てたけどちゃんと買った？最低人気で勝利したけど。」

…ヒモで買ったけど、武豊軸にしてたからどっちにしても無駄でした。って、何の話だよ！とにかく、対決だ！

春香：「じゃあ、私から行かせてもらうわ。食らえ！武器カード・『サイドワインダー』！」

ドドドドドドドド！(ミサイルの飛び交う音)

う、うわっ！いきなり危ねぇな！ていうか、そのカードってのは…

春香：「驚いたでしょう。某週刊誌Jの某漫画でお馴染みのあれ。遊闘(デュエル)で勝負させてもらうわ。私、女優業の副業として『遊闘士(デュエリスト)』もやってるのよ。」

…知らねえよ！いきなり何だよ！

春香：「さて、私は次はこれね。場に1枚、永続カードを出すわ。『千年細菌(ミレニアムバイオ)』。相手の体力を毎ターン500ポイントずつ奪って行くカードよ。」

…うおおお、魂だけ抜け出た今の俺にも効…効くっ！次はこっちの番だ！魔法カード『透視(テレグノシス)』！なるほど、作戦が分かったぞ！補助カード『ファインモーション』で素早さを上げて、『聖剣デュランダル』で怒涛の攻撃を仕掛けてくる気だな！『ファインモーション』を使う前に、補助カード『バランスオブゲーム』で『千円細菌(ミレニアムバイオ)』の効果を無効化しないと…。」

春香：「と、アンタが喋っている間にもう行動に入ってたりして。タアアアッ！」

ザクッ！バシュッ！…やられた。ゴホッ。

春香：「ということで、おしまいね。さっさと地獄へ帰れ！」

…まだ…まだだ！俺には…俺には競馬予想がある！

春香：「そういや、このコーナーは競馬予想コーナーだったわね、忘れてた。でも、1年連続で平場GI予想外したアンタに勝ち目など無いわ。諦めなさいよ。」

いいかげん…いいかげん当るはずだ！

京都適正を持つ馬も多く、GI馬も多く、ムラ馬も多く…難解なレースです。データは、2枠は過去数年連対ゼロの「死に目」。1枠、4枠も連対少なし。斤量差1kgしかない3歳馬には厳しい。ここは思い切って行きたいですけどね…。◎：テレグノシス。本来は差しの馬。ムーラン・ド・ロンシャン賞は鞍上が落ち着いて乗れなくて、癖を抑えきれなかったのが原因でしょう。昨年も4着。思い切って。○：デュランダル。前走、GIを勝ちきった末足…これだけでは厳しいと思いますが、成長に期待します。今回、何かに恵まれそうな…そんな気もします。▲：ファインモーション。前走の大敗等、消し材料の方が多いです。しかし、武豊JKがわけのわからないことをして来そうな予感が…。1着は無いでしょうが、馬連主体のここでは抑えます。△：ウインクリューガー。今回何か3歳馬が来るとしたら…エイシンチャンプではなく、こっちではないかという気がします。何気に京都も良成績。タイキシャトル産駒の、その血に期待します。×：スペシャルカルドゥーン。遠征競馬がハマれば。

馬連予想は次の6点でいきます。

春香：「じゃあ、予想はおいといて…」

置いとくのかよ！

春香：「当らないものには興味無いの。面倒だから、私の持っているカード・サイドワインダー、デュランダル、ミレニアムバイオ、ファインモーション。この4枚のカードの馬連で勝負。やる気ナッシング。」

などと言いながら…ちゃっかり人気上位有力馬で固めているあたりはさすがだな…。

春香：「あら、バレちゃった。みんな荒れると思っているみたいだけど、荒れないわよ。大物を喰い尽くしてきた私の勘、ってヤツね。ということで、引導を渡してあげる。」

角山・六角村・橋上：「ちょっと待った！」

あ、弁護士＆検事軍団！

角山：「私たちが力を合わせれば勝てます！私の予想はテレグノシスからデュランダルとファインモーションへ馬連！これが真実です！」

六角村：「私は同じくテレグノシスから3枠の2頭、スペシャルカルドゥーン、ウインクリューガーへの馬連だ！ヘキサゴンしたら、返り討ちに合うよっ！」

橋上：「俺はデュランダルからファインモーション、ウインクリューガーへ2点、馬連で流すんだ！」

それ全部あわせたら俺と同じだよ…それじゃあ意味ないよ…。

春香：「まあ、かつての大物弁護士＆検事も墜ちたものね。それじゃ、レースが楽しみだわ。」

さて、超混戦模様のマイルチャンピオンシップは11月23日、外差しの決まる淀の1,600mにて行われます！勝利の女神はどの馬に微笑むのか？好レースを期待！荒れも期待…？

4コーナーを周って最後の直線。逃げるギャラントアロー。他馬の仕掛けをもはじき返し、逃げ粘りを測る外で追い込みに賭けるファインモーション。そして、混戦を切り裂いたのは、そのまた大外を突き抜けたデュランダル。スプリンターズSでビリーヴをハナ差仕留めたあの切れ味がこのマイルの舞台でも爆発しました。

勝ったデュランダルも池添JKの、馬を信じた大外一気の理に叶った騎乗でした。しかし…毎日王冠で惨敗を喫したファインモーションを(初めてのマイルで)2着まで持ってきた武豊JK、展開の利とは言わせないと言わんばかりのギャラントアローと幸JKの、(しかも、馬場の荒れた)内での逃げ粘り。この後ろはハナ差、アタマ差、クビ差のひしめく混戦。この中で抜け出した上位の馬は、やはりGIで生き残るための決め手ゆえの結果であったと思います。

そして、平場GIでは本当に久々の的中！GIホースを中心にした狙い目、そして評判の悪かったファインモーションを狙い目に入れた英断で何とか的中にこぎつけました。もっとも…本命のテレグノシスは馬群の底にズブズブと沈んでしまいましたが…14着ですか。昨年の皐月賞の本命ローマンエンパイアと並ぶ本命最低着順記録…でも今回は当てたからいいです。それにしても、ギャラントアローには恐れ入りました。あれだけノーマークで逃げ切っている馬。今回はさすがにマークを受けて潰されると思っていたら…直線に入ったところでやはりマグナーテンに並ばれるも、それを競り落とすと自分のフォームの単騎逃げに持ち込み、3歳馬でありながら馬券対象の3着に。想定していなかったわけではありませんが、GIの舞台であの手の逃げはどうなのか…と思っていただけに驚きでした。

さて…春香さん。当てましたよ。観念してもらいましょうか？

春香：「喜ぶには早いわ。私も当ってるんだけどね。」

橋上：「お前の当てたのは馬連4頭BOX、計6点での的中なんだ！俺は馬連2点で的中させたんだ！Kogaの的中と合わせ技だ！」

角山・六角村：「さあ、騙し取った金を返してもらおうか！」

春香：「くっ！…私は橋上弁護士に負けた。その金は返す。でもね、Koga、アンタにはまだ負けていない。私には義理の弟がいるの。きっとあなたは彼に倒されることになる。」

…義理の弟？

春香：「アンタもしょっちゅう会ってるはずよ。この間は一緒に出てきた、アイツ。玄澄(げんちょう)のことよ。もっとも、向こうは私との関係を知らないみたいだけどね。」

なに？

春香：「玄澄のヤツ、何かすごい力を手に入れたみたいね。前にもその力を手に入れたことはあったみたいだけど、さらに強力になって…1000体、いや、それ以上の何だったっけ？あ、迎えが来たみたいね。」

…え？う、うわあああ！空に吸い込まれていく！

春香：「…グッドラック。」

春香：「…さて、観念したわ。角山弁護士、六角村検事、橋上弁護士。あなたたちから巻き上げた金は全て返すわ。」

六角村：「他の連中はともかく、私は人生ヘキサゴンされているんだぞ。」

春香：「なに、私にかかればすぐに復活できるわよ。●オリク！」

六角村：「…おお、頭の天使の輪っかが消えた！やったー！」

春香：「はぁ、疲れた。ねえ、皆さん。仲直りの印に飲みに行かない？」

角山：「いいですね。行きましょう！」

六角村：「save気味で良ければ、飲みますよ！」

橋上：「じゃあ、今日は俺のおごりなんだ！」

―――――その後、彼らが春香に再び騙されたかどうかは…ご想像にお任せします。