ダートの首領が世界へ羽ばたいたフェブラリーS、クラシックホース2頭を輩出した母親の忘れ形見がチカラの違いを見せ付けた桜花賞。格、伝統、1頭の逃げ馬によって全てが打ち砕かれた天皇賞(春)。限界を超えた力勝負の繰り広げられた日本ダービー。…熱戦を締めくくるのは、春のグランプリ、宝塚記念です。
進行は前回粉々に斬られてウイルスと化したKogaです。
玄澄(げんちょう):「哀れだな、Kogaよ。」
お前は…玄澄?香港から帰って来たのか?
玄澄(げんちょう):「ああ、今回は特別だ。春のGI予想を終えてお前がどうなっているかを予想してみたが、さすがにウイルス化しているとは予想外だった。そこで、今からお前をワクチンで浄化しなくてはならない。」
お…元に戻れるのか?
夕菜(ゆうな):「勘違いしないでください。」
え?夕菜さん?
夕菜(ゆうな):「浄化と言うのは悪性の存在を消去してしまうもの。貴方がいると競馬に当たらず負けてしまう不幸な人が増えるのです。ということで、消えてしまいなさい!」
ま…待った!う、うわぁあ!く…くそっ、このまま消えてたまるか!
こ…ここは阪神競馬場?いや、それにしては雰囲気が古い、お、オッサンの読んでいる新聞が…1986年6月1日?そうか、オレは1986年にタイムスリップしてしまったのか!――そして、この日付は…宝塚記念が、始まる!オレの予想は、堅いと言われた宝塚記念。1番人気クシロキングのいる6枠、岡部JKで勝負!そして、2番人気のスダホークのいる2枠。あ、そうか、当時は馬連が無かった。枠連2-6で。消し枠は…勘で、1枠と3枠。さあ、いよいよ始まります。ゲートが開く!ウオオオオッ!
着順 | 枠番 | 馬番 | 馬名 | 人気 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | 2 | パーシャンボーイ | (3) |
2 | 3 | 5 | メジロトーマス | (7) |
3 | 8 | 17 | スズカコバン | (5) |
単勝:2 710円
枠連:1-3 2,270円
この時代でもリバースゴッドとなってしまった。ああ、また視界がグチャグチャに…
あ、元の時代に戻った?
玄澄(げんちょう):「なんだ、戻ってきてしまったではないか。」
夕菜(ゆうな):「私の術で『消し去る』というのは実はと言うと、今とは違う、別の時代に送ることなのです。こうやってKogaさんが戻ってきたと言うことは、その時代でもリバースゴッド振りが嫌がられたのでしょう。」
そうだよ。1986年初夏の阪神競馬場で当時の宝塚記念を見てきて、1番人気をぶっ飛ばしてきたぜ。
玄澄(げんちょう):「お…お前か!まだ日本で競馬を始めて間もない頃。1986年の第27回宝塚記念。オレの脳裏に浮かんだ馬券は枠連1-3。それなのに結局単勝の人気馬が怖くなって――懐かしい思い出だ。」
夕菜(ゆうな):「私の1986年――シブがき隊・仮面舞踏会に夢中だった幼稚園児でしたわ。あの頃のカセットテープ、まだ取ってあります。」
ハレー彗星が大接近したのも1986年でしたね。さて、このあたりで2004年宝塚記念の予想を始めましょう。
玄澄(げんちょう):「ちょっと待った!お前が印つけた馬がウイルスで滅びる!それだけはやめるんだ!」
夕菜(ゆうな):「あ、もう遅いです!Kogaさんは予想を書いた紙を持ち出しています!」
目指せ連敗ストップ!今年こそ宝塚で勝利の雄たけびだ!
馬番 | 馬名 | 馬齢 | 騎手 | 予想 |
---|---|---|---|---|
1 | (父)シルクフェイマス | 牡5 | 四位洋文 | ◎ |
2 | トレジャー | 牡6 | D.オリヴァー | × |
3 | ゼンノロブロイ | 牡4 | 田中勝春 | |
4 | ローエングリン | 牡5 | 横山典弘 | |
5 | (父)ザッツザプレンティ | 牡4 | M.デムーロ | △ |
6 | サイレントディール | 牡4 | 池添謙一 | |
7 | (父)ダイタクバートラム | 牡6 | 小牧太 | |
8 | リンカーン | 牡4 | 武豊 | |
9 | (父)チャクラ | 牡4 | 柴田善臣 | |
10 | メイショウドメニカ | せん7 | 松永幹夫 | |
11 | スティルインラブ | 牝4 | 幸英明 | |
12 | (抽)ホットシークレット | せん8 | 福永祐一 | |
13 | (父)ツルマルボーイ | 牡6 | 安藤勝己 | ▲ |
14 | ダービーレグノ | 牡6 | 秋山真一郎 | |
15 | (外)タップダンスシチー | 牡7 | 佐藤哲三 | ○ |
この1週間、狙う馬をコロコロ変えながら考えてきました。強力な先行馬も揃っている今回、ハイペースは免れないと思います。まともに行けばローエングリンの逃げ。しかし、騎手の乗り代わったザッツザプレンティが「かかって」しまえばこの時点で当のザッツザプレンティ含め、ローエングリン、タップダンスシチー共々馬群に沈むことでしょう。だからと言って差し台頭?とも言い切れないメンバー。そして、3歳から活躍してきたサンデー産駒、リンカーン、ゼンノロブロイ、予感ですがどちらか片方はピークを過ぎている予感がします。春の天皇賞で見せた醜態から、現4歳馬のレベルにも疑問符が付く状況です。勝ち馬が全く分かりません。そうやって悩みに悩み抜いた結果を発表します。
◎:シルクフェイマス。最内を引いたこの馬から行ってみます。天皇賞では3着に敗れましたが、その前の、重賞2勝を含む、5連勝がやっぱり印象的です。スローペースになればなるほど力を余す印象がありますが、今回、スローの展開はまず無いと思います。○:タップダンスシチー。本命に続き、極端な枠の馬を選んでみました。佐藤哲JKがどう出てくるかは分かりませんが、例え不利な展開になっても地力でカバーできる…と思います。4コーナーでまくりを決めて内ラチを頼れる展開になればよいのですが…。▲:ツルマルボーイ。差し馬かつここで勝つための力を持っているのはこの馬くらいでしょうか。阪神2,200mは得意コース(一昨年は右回り苦手とか書いておいて、結局ここまで評価が変わるのか…)。ハイペースも必至の展開、来てもおかしく無いと思います。とりあえず、差しで一番期待できるのはこの馬だと思います。△:ザッツザプレンティ。調子は悪い、デムーロ騎乗で穴人気、と普通はあり得ないかも知れませんが、好きな馬はとりあえず推します。馬体が減って差しが決まる…とかないでしょうか?かかって先頭!?とならないよう、祈っています。×:トレジャー。マジメに走れば有力馬との力差はそれほど無い気がするのですが…そしてオリヴァーJKの一発があるかもしれません。穴馬として狙います。ついでに…「宝」塚記念ですよ?…すみません、ゴホゴホッ。自信の消し馬はゼンノロブロイ。騎手がGI何連敗とかは関係ないと思いますが、調教でトレジャーに遅れを取ったのは致命的かもしれません。そして、早熟傾向型もポツポツ見られるサンデーサイレンス産駒…この馬は早熟型、そんな気がします。この馬を推すくらいならば、まだトレジャーの方が評価できる気がします。
馬連予想は次の6点でいきます。穴馬以外は奇数馬が揃いましたね…。
1-2 | 10000pts |
1-5 | 15000pts |
1-13 | 20000pts |
1-15 | 20000pts |
5-15 | 10000pts |
13-15 | 15000pts |
夕菜(ゆうな):「馬柱も中心で、かつ世界の中心・アメリカの大統領の名を持つ8 リンカーン、そして文字通り『愛』11 スティルインラブ。単勝8,11、複勝8,11。私は『世界の中心で、愛をさけぶ』の語呂あわせで行きます。」
玄澄(げんちょう):「笑いたいならば――違うだろうが。アドマイヤドンとファストタテヤマのワイド1点というのは両方とも出てないな…アドマイヤドン共にドバイの地を踏んだサイレントディール、そして、目黒記念でファストタテヤマを完膚なきまでに叩きのめしたチャクラのワイドを遊びで行ってみたいね。マジメに行くなら3連複軸1頭流し…3が頭、1,4,7,8,13へ流し(計10点)といったところかな。そして、Kogaには罰ゲームだ。」
いや、レースはまだ始まって…
玄澄(げんちょう):「これは1986年の宝塚記念の分だよ。あれから18年経ったから…それだけの重みのある罰ゲームだ。お前が1986年にタイムスリップしたことによって変わった歴史。その中で18年の年月をかけて開発されたのがこのワクチンだ。文字通り、消滅するがいい!」
――消える―消えてしまう。誰か…助けてください!助けてください!
6月27日、春のグランプリ宝塚記念。仁川の中心(ウィナーズサークル)で勝利の雄たけびを上げる馬は―――
着順 | 馬番 | 馬名 | Kogaマーク予想 |
---|---|---|---|
1 | 15 | タップダンスシチー | ○ |
2 | 1 | シルクフェイマス | ◎ |
3 | 8 | リンカーン |
正解:馬連 1-15 19.3倍 | |||
---|---|---|---|
1-2 | 10000pts→0pts | ||
1-5 | 15000pts→0pts | ||
1-13 | 20000pts→0pts | ||
1-15 | 20000pts→386000pts | ||
5-15 | 10000pts→0pts | ||
13-15 | 15000pts→0pts | ||
残り:-69,000pts |
春のグランプリはまさに「魅せる」レースとなりました。それと同時に、現在の4歳馬の限界を知るレースともなりました。
まずはローエングリンの逃げ。鞍上は横山典JK。天皇賞の悪夢が脳裏によみがえります。とにかく、確実に逃げるローエングリンを誰が、どのように捕らえるかがレース前からずっと気になっていました。3番手にはタップダンスシチー。その後ろにシルクフェイマス、ゼンノロブロイ、中団後ろで落ち着いて進むリンカーン。そして、スタートで立ち遅れたツルマルボーイは最後方から―――
ローエングリンの逃げを3コーナー前で早くも捕らえた馬がいました。タップダンスシチーの仕掛け、早すぎる!?と不安もよぎる3、4コーナー。仕掛けてきたのは上がり馬・シルクフェイマス。遅れてゼンノロブロイ、リンカーン。シルクフェイマスは前を捕らえるかと思わせる勢いでしたが、直線に入ると内ラチ沿いをタップダンスシチーが逃げる逃げる!そして、そのまま後続に2馬身差をつけ、ゴールしました。そのタップダンスシチーに競りかけようとしたものの、捕らえることができず、力及ばなかったのは2着のシルクフェイマス。その後ろのリンカーン、ゼンノロブロイはそれぞれ3着、4着。出遅れたツルマルボーイは結局6着、牝馬三冠スティルインラブはやはり、古馬牡馬とは差があるのでしょう、8着に終わりました。でしたが、今回は全体的に有力馬の大崩れが少なかったように思えます。途中意外な展開にはなりましたが、少なくとも今回の上位8頭は今の各馬の実力差を鮮明に現しているのではないでしょうか?上半期の中でもダービーに並んで、清々しいレースになったと思います。(馬券当てたのもありますが…)
勝ったタップダンスシチーは力の差を見せ付けた格好になりましたが、それと同時に自分のフォームに持ち込んだタップダンスシチーと佐藤哲JKの作戦勝ちでもあるでしょう。これで思い切って凱旋門賞へ行けると思います。そして、巷で指摘されていた4歳馬のレベルの低さ。それがここでは力の差として証明されたと思います。今回はもはや言い訳できない力負けを喫した4歳トップの馬。リンカーン、ゼンノロブロイ、ザッツザプレンティ。彼らには秋競馬に向けて、パワーアップが至上課題となります。今のままではとても古馬GIで勝ち負けできるとは思いませんが、ここからは秋まで充電期間があります。そして、上がり馬の到来も含め、レベルの底上げを期待します。(個人的本音:返し馬さえも違和感のあったザッツザプレンティが一応5着まで来たのは正直嬉しいです。でも、今のままでは今後苦戦必至、秋に向けてまずは馬体回復させてください…)
最後に、予想は久々の本線的中!4歳馬とそれ以外との世代レベルの違いが気になっていたのですが、それが見事に嵌りました。もっとも、レベルの差は現段階での話であり、秋にはまた4歳馬にも期待したいと思います。グランドジャンプしか当たらなかった昨年とは違い、一応最後「だけは」キレイに締めくくれましたので、今年はいい感じで夏をすごせそうです。
夕菜(ゆうな):「地味ながら、私はリンカーンの複勝が当たりましたね。当たり負けですが、まあ良いとしましょう。」
玄澄(げんちょう):「それにしても、Kogaめ。リバースゴッドの癖に馬券を当てるとは。」
どうだ!ちょっと実力を出せばこんなものさ!
玄澄(げんちょう):「それはそうと、ここにカセットテープがある。今から再生してみよう。」
そ…それは!
カセットテープの音声:リンカーン、馬体重マイナス10kgか。絞ってきたなぁ、こりゃ走るなあ。俺、上半期GI全滅してきたリバースゴッドだし、リンカーンから印つけた馬へ100円ずつ押さえておくか。ゼンノロブロイも来たらどうしようかな。今回、4歳馬は低レベルとか思って5歳以上を狙って行ったけど自信ないんだよなあ。よし、こっちも100円ずつ押さえておこう。それで、もし来たら「馬券は取ったぜ」とか適当なこと抜かして…言い訳だ!俺だからいいんだ!ねえ、アキ?君のいない世界を僕は知らない。
それは!宝塚記念前の俺の独り言!
夕菜(ゆうな):「アキって誰?という突っ込みは置いといて、弱気かつ卑屈な態度ですね。」
でも、今回は当てたから文句は言わせないぞ!勝てば官軍!久しぶりに「的中!」と胸を張って…
玄澄(げんちょう):「画像はこの通りだ。まさかお前が当てるとは思っていなかったんで急遽差し替えたよ。」
なんだそのやる気のない画像は!
玄澄(げんちょう):「お前が余計なことするからだよ。仕方ないだろうが。ちなみにお前が外した場合はこっちになる予定だった。」
玄澄(げんちょう):「さて、残念だが、今回お前が罰ゲームを受けるかどうかは、上半期GI全体の成績で決まる。」
ということは…
玄澄(げんちょう):「1勝10敗。ついでに、今回当てたものの、総合ポイントは結局マイナスで最早言い訳はできないな。」
夕菜(ゆうな):「それに、Kogaさんすっかり忘れているでしょうけど、今あなたは『Kogaウイルス』になっていて、なおかつ今にも消えそうなんですよ。」
そ、そうだ、思い出した!予想の段階で玄澄にかけられたワクチンで俺は消えそうだー!助けてください!誰か、助けてください!
玄澄(げんちょう):「仕方が無い、じゃあ早く楽にしてやろう。夕菜さん、お願いします。」
夕菜(ゆうな):「スペースも無いので、手短に。Kogaウイルスよ、世界の中心へ飛んで行け!」
あぎゃぁあああ〜!
玄澄(げんちょう):「で、夕菜さん、Kogaウイルスをどこに飛ばしたんですか?」
夕菜(ゆうな):「世界の中心っぽいところ、ということで、今回は南極までワープさせちゃいました。」
玄澄(げんちょう):「それおもしろいですなあ。で、それからどうなると…」
夕菜(ゆうな):「それは私にも分かりません。」
玄澄(げんちょう):「まあいいや。もしコーナーが存続してれば俺も朝日杯か有馬あたりにもう一度だけ日本に戻ってきますわ。それじゃ、ごきげんよう。」
フフフ…ウイルスだったこの俺は、あまりの寒さに固体になって、なおかつ「人間」として復活しちまったぜ。もう理屈なんてどうでもいいな。ツッコミどころ満載だが、これでまた競馬予想に復帰できる…日本に帰ったらアイツらシメてやる。覚えてろよ…ううう、寒い!寒い!夏の日本からいきなり極寒の南極まで飛んできたから…寒い寒い!十分罰ゲームだよ!あ…ガチガチガチ。
バタッ。