ヒヒーン！

夕菜(ゆうな)：「あれ？これは…頭がKogaさんで胴体が馬…？キャーッ！気色悪いです！燃やしちゃいます！」

ゴオオオ！ヒヒヒーン！…って、燃やすなよ！

冷奈(レナ)：「しゃべれるなら初めから喋れや。」

…いや、今燃やされたショックで声は出るようになったんだ。どうしてこんな姿になってるかというと…

夕菜：「高松宮記念を外して、その罰ゲームだというのは分かりますので、桜花賞の予想に入りましょうか。」

ああ、あれ？確か君は阪神JFでお世話になった…

冷奈：「冷奈だよ。あ、a・T・u？プロデューサが今度ついに●ー●写真集とか言い始めたから辞めてきたわ。まあ、それはそうと今回はもう一人ゲストがいるから夕菜っち、紹介して。」

夕菜：「はい。彼の国から…出でよ、伝説の男・パンパース！」

…ぷ…ぷぷぷ…痛っ！馬の脚元って弱いんだからむやみに蹴るな！

冷奈：「てめえの格好の方が数段おかしいね。まあ、それはそうと、今回のもう一人のゲスト、パンパース氏よ。」

パンパース：「よろしく、珍獣君。」

珍獣言わないで…。ていうか、あなたの頭の上に浮かんでいる「天使の輪」は…

パンパース：「左様。私はすでにこの世のものではない存在。夕菜さんに召還されて今回めでたく登場できた。私はかつて、ある国の王だったが、賭けで身を滅ぼして借金取りに追われて自害した情けない男だ。」

…賭けって、競馬ですか？

パンパース：「似ているが、ちょっと違う。私のいた国では馬の代わりに…えーと、水滴、いやキッスチョコと言ったほうがしっくり来るかな。『すらいむ』という生き物を走らせていた。私も最初はバカ勝ちして、国の王にまで上り詰めたが、いっそのこと自分で走る『すらいむ』を持とうと思い、『すらいむ』主になったのが運の尽き。良血の『すらいむ』を買いあさったにも関わらず、未勝利すら勝ちあがれない様。そして…。」

夕菜：「パンパースさん、かわいそう…。」

何を悲しんでるんですか？大体賭けで身を滅ぼしたって…今回の予想でも当てにならないです！

パンパース：「と思うだろうが、賭けてるうちは私は無敵だったのだ。そこで、今回は特別に予想を披露してしんぜよう。」

冷奈：「私も参加するわよ。誰が勝つか、楽しみだわ。そして負けた人にはお約束の…」

夕菜：「私からの罰ゲームをプレゼントしてあげましょう。まあ、Kogaさんが外れるのは分かっているので今から罰ゲーム始めてもいいですけど。」

ちょっと待ったー！罰ゲーム食らう前に…これが桜花賞の予想だ！

前哨戦で上位の馬がズラリ。その中でも2頭の無敗馬が注目を集めていますが…ダンスインザムードは逃げにも近い先行で楽勝→揉まれる競馬をしていない＋輸送の影響、ムーヴオブサンデーはマイル未経験なのと、重要なのが調教で思ったタイムが出ていなかったことより、「前走は見た目以上に疲れる競馬だったのではないだろうか？」ということ。そしてスイープトウショウ。前走のマイナス-14Kgはどう見てもヤバいでしょ？。それに、左側、マルターズヒートはともかく、ヤマニンシュクルあたりは同じ位置で競馬しますよ。内で包まれること必至、6着くらいが関の山だと踏んでいます。よって、ここまでを思い切ってバッサリと切ってしまいます。ヤバイかな…と思いつつも。

◎：ヤマニンシュクル。前走を叩いて、絶好の気配。後ろから行く馬ですが、左隣の7番、8番、9番までは前に行くので、スムーズに外に出して追い込めると考えられます。GI勝ちの大きな実績を持つ、この馬から行ってみます。○：ダイワエルシエーロ。外で一番揉まれないのはこの馬。自分のフォームで競馬できるのは強みだと思います。▲：マルターズヒート。能力はある馬。後ろから行くと明言していますが、乗り手も変わりますし、自然に前に行くのではないでしょうか。揉まれる競馬は前走で経験済。ゲートに難さえ克服すれば…。△：アズマサンダース。今回、グリーンベルトの恩恵を受けて前の馬が残る可能性もありますが、阪神JF2着のヤマニンアルシオンは内のウェディングバレーとやり合う形になりそうな気がします。程ほどに先行して実績もそれなりにあるこの馬を4番手で。×：ホシノピアス。前走で阪神コースを経験。4着と好走。マイル未経験は引っかかりますが、何気に絶好枠。注意が必要だと思います。大穴で。

…上位人気をバッサリ切って、1番人気-10番人気くらいのヒモ荒れだったら今回の予想は壊滅ですね…。馬連予想は次の6点でいきます。

パンパース：「…強き心は時を超えるもの。私は競馬はそういうものだと考えている。特に今年の桜花賞にはその傾向が顕著だと思う。ダンスインザダーク、ダンスパートナーなどの数多くの優秀な競走馬を数多くのGIを輩出したダンシングキイ。残念ながら、2004年4月1日に他界してしまった…。この馬の仔・ダンスインザムードは私が今回一番期待している馬、本命だ。そして、ジャパンカップでも2着の経験を持つパラダイスクリークの仔・ロイヤルセランガー。1998年エリザベス女王杯2着のランフォザドリームの仔・フィーユドゥレーヴ。1994年の阪神3歳牝馬Sを勝ったヤマニンパラダイスの仔・ヤマニンアルシオン。1998年桜花賞2着馬ロンドンブリッジの仔・ダイワエルシエーロ。父系がおもしろい馬もいるが、やはり母系の繋がりにはグッと来るものがあるな。馬連とワイドで9−12,14,16,18流し、計8点で行きたい。」

冷奈：「私は馬がかわいいかどうかで決めます。阪神JFではKogaが本命を打ったせいで惨敗したこの馬、フィーユドゥレーヴから行くわ。今回、Kogaが外してパンパースさんが推しているので、自信あります。アズマサンダースは次点で。3連複軸1頭・14から4,9,13,15,17へ流し、ワイドの13-14。計11点で勝負。」

夕菜：「以上を総合すると、1着から9-14-13で決まったようです。よって、Kogaさん一人負け！それじゃ、罰ゲーム！」

待って！終わってない！終わってないって…ば…うわぁあ！

パンパース：「おお、Kogaさんの形がさらに不気味に変わっていきますな。この形は…『すらいむ』ってヤツですな。ほう。」

冷奈：「まあ、今回は予想も当たったし、大満足ね。」

…いや、だから…結果出てない…。

夕菜：「『すらいむ』のくせに口応えしないでください。」

…ふえーん。

強き心は、時を越えて。歴代の名牝馬の子供達も数多く揃った第64回桜花賞。桜も満開の阪神競馬場で4月11日、2004年牝馬クラシックの火蓋は切って落とされます！

阪神JFから4ヶ月で、牝馬の勢力図は一変します。しかし、昨年の札幌2歳Sで好成績を残した2頭、直線で後続を突き放したアズマサンダース(2着)と、うまく外から追い込んできたヤマニンシュクル(3着)はその変化に大して十分に抵抗したと思います。例年なら桜花賞を取れる器。しかし…その2馬身前には、どうやっても抗うことのできない力。もはや怪物としか言えません。第64回桜花賞は、4月1日に亡くなったダンシングキイの仔・ダンスインザムードが1分33秒6の桜花賞レコードで完勝、という結果になりました。

18年ぶりの関東馬の桜花賞制覇。フラワーCからのステップでの優勝。藤沢厩舎にとっては念願のクラシック初制覇。数々のジンクスも物ともしなかった大物の登場…目の前で見せ付けられた自分はただ呆然とするだけでした。

前回は穴を狙って失敗し、今回はそのまたさらに穴を狙って…やはり大失敗に終わりました。今回の予想、上から3番人気までを無印にする暴挙でしたが、文字通りの「暴挙」。ダンスインザムード＞ローテ、楽なレースばかり、スイープトウショウ＞前が詰まる、ムーブオブサンデー＞疲れ・距離不安と、どれにも懸念される材料があると考えていましたが、思えばダンスインザムードはそのあまりの力のおかげで楽なレースしかできなかったのでは…と考えられます。来週は堅めに行こうかな…。

夕菜：「さて…結果ですが…」

パンパース：「私の当たりだな。」

え？ダンスインザムードは軸だったけど、流したのは12、14、16、18だったはずじゃ？

パンパース：「いや、直前になって私の名前に似ているこのアズマパンパースを買い足したのよ。馬連で。」

何だよそのアズマパンパースって。

冷奈：「私は外したけどまあ、後先で私のアズマパンパース2着だからKogaの本命には勝ってるねー。」

いつの間に後先勝負になったんだよ！それに覚えてるぞ！冷奈さんの本命はフィーユドゥレーヴだったと記憶しているが。

夕菜：「私は冷奈さんは、次点でアズマパ…あ、いけません。アズマサンダースと言ったのを覚えています。彼女、2回攻撃できますから本命馬2頭として有効とします。」

2回攻撃って、テレビゲーム好きな人しか分からんだろ！それさし引いてもツッコミ満載の言い訳だ！

夕菜：「Kogaさんがゴネるので、誰が罰ゲームか、多数決で決めましょう。」

…いや、いい。外した僕が悪いんです。潔く罰ゲーム受けますんでよろしくお願いします。

冷奈：「じゃあ、お言葉に甘えて。」

プチ。

…ぐへっ！そういや今、自分は『すらいむ』だったんだ…意識が消える…ぐふっ。

パンパース：「しかし、直前までこの馬に気づかないとは私も不覚を取ったものですなあ。しかも、私の治めていた国はここから東にある国。東のパンパース。まさに私にぴったりの馬だったのに。それはそうと、Koga殿というのは最初見たとき奇妙な格好をしていたが、あれは化け物なのか？」

冷奈：「まあ、その解釈でもいいけど、先々週の結果ページで私が仕向けたのよ。」

夕菜：「あれ？高松宮のとき、冷奈さん出てました？」

冷奈：「いや、ゲストの何とか兄弟の弟の方が『中身の無い鎧』という変わったやつでね。」

パンパース：「魔物か？」

冷奈：「いや、元は人間だったのがワケありでそうなっちゃったみたいなのよ。そこでその鎧の中身に入ってた。当の本人は眠ってる間に声色変えて、予想外したことを口実にKogaを合成獣にしてみた、というわけ。」

夕菜：「なかなかやり手ですね、あなたも。しかし、その事実って、本当は予想のときに言おうと思ってたのに言い忘れましたね。」

冷奈：「うん。まあ、Kogaが悪いんだけど(笑)」

パンパース：「ところで、『ダンサー』と『サンダー』は似ているな。片方は『ダンス』だが。ここに今回の結果の真理があったのかもしれないな。」

冷奈：「そうかもしれない。真理とは奥が深い…。」